不正咬合

ウサギの歯は何本あるかご存知ですか?

上顎に4本の前歯:2本の大切歯と2本の小切歯
   6本の臼歯(片側):3本の前臼歯と3本の後臼歯
下顎に2本の前歯:2本の切歯
   5本の臼歯(片側):2本の前臼歯と3本の後臼歯

全部で28本の歯がウサギにはあります。平たく言うと、この歯がキチッと揃わずバラバラの乱杭状になってしまっている状態を「不正咬合」と言います。原因は様々です。遺伝、食餌、ケージをかじる、損傷、歯根部の感染など。個人的には遺伝が最も多く、これに食餌などの二次的な要因が重なっている場合が多いように思います。自分のウサギの歯を見たことが無い方はぜひ一度チェックしてください。前歯:切歯は結構わかりやすいです。見方はピクピク動いている鼻の両脇をムキッと上にめくると前歯が見えます。抱っこに慣れている子はひざの上で仰向けにひっくり返して見るとじっくり見れます。ただし!無理はしないこと。慣れていない子は相当びっくりしますし、怪我させちゃダメですからね。

不正咬合の治療は歯のトリミング、これしか無いです。切ったり削ったり、少々痛々しいですが、しないと餌が食べれなくなります。さて、この歯のトリミングですが、前歯:切歯は簡単なのですが、問題は臼歯です。ウサギのち〜〜さい口の奥のほうに並んでいる臼歯のトリミングは正直大変です。安全かつ確実に行うには鎮静が一番です。おとなしく抱っこに慣れている子なら鎮静をかけなくても問題ないのですが、興奮してチアノーゼ(舌が紫色になる)になってしまうような子には鎮静をかけないとストレスで死んでしまいます。

この歯のトリミングは誤解なさってる方も多いと思いますが、定期的に(2〜4週間に一回程)行わないと意味がありません。ウサギの歯はすべてが常に伸び続けています。したがって、定期的にトリミングをしていかないとすぐに元に戻ってしまいます。どうしても歯が見れない!という方は一度チェックだけでもしに来て下さいね!