甲羅に現れる症状

甲羅が軟らかい 孵化後間もない子ガメや、特別なカメ(パンケーキリクガメ)をのぞき、リクガメの甲羅は背甲も腹甲も、完全に硬くなければいけません。

甲羅が軟らかいときは、カルシュウム不足、紫外線の不足、肝臓や腎臓の疾患などからおこる、くる病や上皮小体機能亢進症などを発症している恐れがあります。飼育環境や、食餌の見直しをおこない、改善が見られないときは診察を受けて下さい。

甲羅に穴があく 甲羅が細菌などの感染をうけ、壊死を起こす、いわゆるシェルロットと呼ばれる症状です。放置しておくと病巣が徐々に広がっていきます。

壊死して軟らかくなった部分を取り除き、綿棒や歯ブラシなどに、クロールヘキシジンの0.1%溶液をつけて、しっかりこすると効果的です。重症の場合は抗生物質の全身的投与も必要になります。

甲羅がでこぼこになる、甲羅が変形する 病気の症状といったこととはやや違いますが、成長期に高蛋白の食品(動物性も植物性も)を多給したり、カルシュウムとリンのバランスが悪い食餌をとっていたりすると、甲羅の変形をきたします。

完全に成長しきってしまったものでは、この変形は残念ながら治りません。このような状態になったものでは、潜在的に腎臓の疾患を持っている可能性がありますから、すぐに正しい食餌に戻して下さい。

甲羅が割れる、甲羅から出血する 交通事故や、庭で芝刈り機に巻き込まれる、踏んづけられる、犬に噛まれる、高いところから落ちる、などといったことで甲羅が割れることがあります。

かなりひどく甲羅が損傷をうけても、内臓のダメージが軽度であれば、現在の獣医療のレベルで十分に治癒させることが出来ます。1分1秒でも早ければ早いほど、感染を防ぎ、予後が良くなりますから、あきらめずにすぐに病院に連れていってあげて下さい。