皮膚に現れる症状

ダニが付いている 野生下で捕獲されたリクガメには、まれに皮膚にダニが付いています。特に鱗の大きな種類(ケヅメリクガメ、ヒョウモンリクガメなど)では、鱗の下に隠れてすぐに見つからない場合もあります。

発見したら、慎重に、頭部を皮膚に残さないようにしてはがし取ります。取った後の傷口にイソジンなどのヨード系の消毒薬を塗っておくと良いと思います。

余談ですが、友人に爬虫類のダニについて研究している者がおりますので、もしダニを見つけた場合、連絡をいただけると助かります。

皮膚がはがれる リクガメも爬虫類ですから、成長に応じて当然脱皮を行います。しかしリクガメの場合、ヘビやトカゲ類に比べると、はっきりと脱皮と分かることが少ないように思います。

あまりに皮膚がぼろぼろと剥けるようなときは、ビタミンA過剰症なども疑った方がよいかもしれません。また、低温火傷などをおこしたときも、皮膚が黒ずんで、はがれてきます。

皮膚が赤むける 丈夫そうに見えるリクガメの皮膚も、傷つく場合があります。

軽い擦過傷の場合はヨード系の薬、あるいはクロールヘキシジンなどの消毒薬を塗って感染を防いであげればよいでしょう。よく抗生物質の軟膏を塗られる方もありますが、抗生物質よりも上記のような消毒薬の方が効果的です。

皮膚が切れて、出血する これも軽いものなら、消毒薬をつけておけば大丈夫です。深い傷で出血が止まらないようなときは、傷口を縫合しなければいけない場合があります。

ブリーディング個体によくあるのですが、甲羅の縁が鋭い刃物のようになって、歩行の度に四肢の皮膚を傷つけることがあります。また、項甲板で、首の皮膚を切ることもあります。あまりひどいときは、鋭利になった甲羅の部位を、紙ヤスリなどで少し滑らかにすることもできます。ただし甲羅といえども生身の体ですから、処置は慎重に行い、こすった部分は必ず消毒をして下さい。