糞便に現れる症状

便がゆるい いわゆる下痢便です。水気の多い野菜(レタスやキュウリなど)や果物の多食による、消化不良や、原虫類や線虫類などの消化管寄生虫症、細菌感染などによっておこります。草食であるリクガメの場合、消化にかなりの時間と温度を必要としますから、環境温度の低下や、寝る前に食餌を与える事なども、下痢の原因になります。

食欲があり、1−2回の下痢であれば、食餌の改善(繊維質の多い野草などを与える)と、食餌を少し控えることでおさまることが多いようです。2日以上軟便が続くときは、重度の寄生虫感染症や、さまざまな病気の可能性がありますから、早めに診察を受けられる方がよいでしょう。

便が硬い、きばっても便が出ない 便秘の症状です。水分の少ない繊維の多い食餌を与えている場合は、硬くころころした便が出ることが多いです。

硬くてもしっかり排泄されていれば問題はありませんが、きばっても出ないときは、温浴をさせて水分を取らせると同時に、腸の働きを活発化させて、排泄させるようにします。総排泄腔でひっかかっている場合は、水性の潤滑ゼリーなどを少量注入して絞り出すこともできます。

運動不足が便秘の原因になっている場合も多いので、天気の良いときはなるべくベランダや庭に放して、広いところで運動をさせてあげて下さい。危険のないようにして、部屋に放すのもいいでしょう。

便の色 健康なリクガメで、緑黄色野菜や、野草を主食にしていれば、便の色は通常、暗緑色から緑色で、ほとんど黒く見える場合もあります。摂取した食物の色にもよりますが、あまり淡い色(グレーや黄色など)の時は、内臓障害を起こしている恐れがあります。

尿に現れる症状

尿が臭い 正常のリクガメの尿は、ほとんど無臭です。臭いが強く感じられるときは、腎臓から膀胱、尿道に至る尿路系に、何らかの異常がおこっている恐れがあります。
尿が薄い緑色をしている このような尿が出た場合は、腎臓にヘキサミタ原虫が感染している可能性があります。この時は尿が少し粘調性(ねばりけ)を帯び、悪臭もあります。

早期に治療をしないと、生命の危険があります。

尿が赤い 血尿ですが、どこから出た出血か鑑別をしなければいけません。腎疾患や膀胱炎、膀胱結石などが考えられます。ただし、腎臓や膀胱からの出血はリクガメではあまり多くないようです。

明らかに血液だと分かるものが尿中に出現した場合、最も多い原因は、総排泄腔内膜の炎症によるものです。いずれにせよ、血尿が続く場合は獣医師の診察を受けて下さい。

尿酸の問題 リクガメの尿中に見られる、ふわふわした白い塊は、尿酸です。

リクガメなどの陸棲の爬虫類は、摂取した蛋白質のかすを、最終的に尿酸という形にして排泄します。食餌中の蛋白質の量や質、動物の日々の代謝の違いなどによって、尿酸の量は変化します。ものすごく硬い、ざらざらした尿酸の塊を排泄するようなときは、温浴の回数を少し増やして下さい。