ミドリガメ、ゼニガメなどの子供は、肉食傾向が強い雑食性です。食べ馴れるとかなりいろいろな食物を食べますが、単食にならないように、与えて害のないものを組み合わせて与えて下さい。
  • 人工飼料

人工飼料でもっともお奨めできるのは、テトラ社の「テトラレプトミン」です。ヌマガメはこれだけ与えていても大丈夫だといってもよい飼料です。これに同社の「ガラマス」という淡水ヨコエビの乾燥したものを補助的に与えればなおよいでしょう。

おやつ的に与えるのには、乾燥イトミミズや、ディスカスハンバーグ(熱帯魚用の冷凍餌)、ほんの少量のドックフードやキャットフードなどもよいでしょう。




  • 天然飼料

本来野生状態で食べているものは、小魚、昆虫類、ミミズ、小型の貝類、水草、小型甲殻類などですから、これらのものを与えることも大変よいことです。特に食欲不振になったときなどは、これらの生き餌で食欲を刺激してやるとうまく食べてくれることがあります。ただし生き餌は栄養的にすぐれている反面、寄生虫や病原菌、その他重金属などの環境汚染物質に汚染されていることがありますから、あまり継続的に食べさせないほうが安全かもしれません。

生のレバーや刺身、生肉、野菜なども食べるようなら少量あげてもかまいません。ただし海産の魚やエビ類はあまり多食させない方がよいといわれています。淡水産でも金魚やワカサギなどは、こればかり与えるとビタミンB不足になる場合がありますので注意して下さい。

冬眠
仔ガメは、生後2年までは冬眠をさせないほうが安全です。冬でもしっかり保温して飼育して下さい。3年目からは栄養状態のよい、病気でないものに限って冬眠をさせることが可能です。

カメとサルモネラ菌
サルモネラ菌はカメに限らず自然界のありとあらゆるところに生息しており、その中のいくつかは人に対しても病原性を持っています。決してカメだけが悪者ではないのですが、ヌマガメの生育環境(暖かくて、水分があって、有機物が多い)は菌が増殖するのに適しており、増えた細菌が人に対して感染を起こす恐れは十分に考慮しなければいけません。

健康な成人であれば、細菌に対する抵抗力を持っていますから、多少の菌が体に侵入してもほとんど発病せず、まれに発症しても軽い腹痛や下痢程度で済んでしまいます。

しかし乳幼児やお年寄り、抗ガン剤投与などで免疫力の落ちている方は、サルモネラ菌に対する抵抗力が弱いので、かなり重篤な症状が出る場合があります。これらの理由から、アメリカ各州では10cm以下のカメの販売を法律で禁止しています。(特に小さなカメは子供が触ったり、場合によっては口の中に入れる危険もあります)

ただしそうだからといって、カメを飼ってはいけないといっているわけではありません。基本的な最低限のこと、

  1. カメに触れたり、ケージの掃除をした後は必ずよく手を洗う。
  2. 小さなお子さんにはカメを触らせないようにする。
  3. カメのケージの汚水は、キッチンの流しには捨てない。
  4. できるならば、食事をする場所ではカメを飼育しない。

などを守っていただければ、全く問題がないと思います。

エサ・冬眠・サルモネラについて