トキソプラズマ症

どんな病気?
トキソプラズマ原虫が猫の腸管に寄生し、様々な障害を引き起こす病気です。トキソプラズマ症は感染猫の糞便などから人間にも感染するので注意が必要です。人間に感染した場合、ほとんどの場合は無症状で経過しますが、妊婦や免疫治療を受けている方などは症状が現れます。特に妊婦が初めて感染した場合(妊娠中に)、母体は大丈夫なのですが胎児が感染し、水頭症などの先天性トキソプラズマ症を引き起こします。

症状は?
健康な成猫は通常発症しないか軽い症状が一過性(一時期だけ)に出る程度です。しかし、免疫が低下している子や子猫の場合は食欲不振、元気消失、発熱が一般に見られ、肺炎や嘔吐、下痢、黄疸、腹水などの急性症状を示して死亡することがあります。また、神経症状や網膜剥離などの眼疾患を示し、慢性経過をたどることもあります。

どんな検査?
血液検査でわかります。ただ、子猫の場合は結果を待たずに治療に入ることがあります。通常、飼い主さんのご家族に妊婦の方がいらっしゃる場合に検査をすることが多いです。

治療は?
抗生物質の投与を行い、その他症状に合わせた対症療法を行っていきます。ただ、発症するのが元々新生子や免疫低下の子だけに予後(その後の経過)は要注意です。

予防は?
まず、猫を外に出さない、生肉、内臓、骨などを食べさせない。これが重要です。人間の場合は、肉は火を通す、調理器具などは熱湯で消毒する、猫の世話は手袋をつける、猫のトイレは熱湯で消毒する。これらの注意が必要です。