慢性腎不全

腎臓というのは、元来血液中のいらない物質を取り除き、おしっこの中に流している臓器です。この腎臓が様々な原因により機能を失うことにより、症状が出てきます。
原因
主なものは、加齢、尿路感染症、薬物、腎結石、腎炎などがあります。中でも加齢による腎不全は、何年もかけてゆっくりと進行するため、年ごとの血液検査や日々の健康チェックが重要になってきます。
症状
多飲多尿(よく水を飲んで、いっぱいおしっこをする)、食欲不振、嘔吐、脱水、粘膜蒼白、元気消沈、体重減少などがあります。
治療
原因が特定されればその治療がメインになりますが、まずは血液検査にて腎臓の状態を確認します。場合によっては超音波検査などで腎臓を画像で映し出します。細菌感染や結石などの原因が除去された後は腎臓の機能がしっかりと働いている部分をいかに残すか、を目標とした治療になります。これは、もうすでになさっている方も多いとは思いますが、皮下補液(または輸液:背中に200ccくらい点滴用の液を入れる)を定期的にずっと行っていきます。簡単に言うと、皮下補液で全身にまわる水分の量を増加させることで、腎臓が濾過する血液中老廃物の濃度を薄くします。腎臓もドロドロの血液を濾過するよりサラサラの血液を濾過した方が楽ですよね?
一度落ち着いたように見える腎不全も実はジワジワと進行しています。やはり休ませることの出来ない臓器であるためですが、皮下補液を定期的に続けることで進行をゆっくりにすることが出来ます。
予防
早期発見早期治療が何よりもモノをいいます。10才を超えたら健康な子でも一度検査しておくと良いでしょう。