フィラリア

フィラリア症って?
ミクロフィラリア(フィラリアの幼虫)を持った蚊が犬を刺すと、ミクロフィラリアが蚊から犬の体内に侵入します。侵入したミクロフィラリアは犬の体内を移動しながら成長し、肺や心臓で成虫になります。フィラリアの成虫は15〜20pにまでなり、全身に深刻な症状を引き起こします。症状は運動不耐性(元気がない、動きたがらない、など)、咳が出る、食欲が無いのにお腹がふくれてきた(腹水)などで、次第に貧血でフラついいたり失神するようになり、高い確率で死に至ります。

予防って?
フィラリア症の予防薬は犬が蚊に刺されないようにするための薬ではなく、犬の体内にフィラリアの幼虫が入ってしまっても成虫になって悪さをする前に駆除してしまう薬です。
当院では、基本的に
蚊の出る季節(6〜12月)に月一回、この予防薬を飲ませていくことを推奨しています。予防薬には液剤タイプ、錠剤タイプ、粉剤タイプ、ジャーキータイプ、スポットオンタイプ(滴下式)があります。

注意点
よく「なぜ11,12月まで予防しないといけないの?」という質問をうけます。確かに11,12月にもなると蚊は姿を消してしまっています。では、なぜ11,12月まで予防しなければならないのかというと、フィラリアの薬は、フィラリアの幼虫が犬の体内に侵入してから1〜2ヶ月育ったフィラリアに対して効果を発揮するからです。
具体的に言うと7月に犬の体内に侵入したフィラリアは8〜9月に飲んだ薬が駆除します。では10月に侵入したフィラリアは?というと11〜12月に飲んだ薬が駆除することになります。したがって、フィラリアの予防は最後が肝心!ということになります。

BY 一ノ瀬 雄史